「SLOPE ROCK!」の前夜祭的なイベントの、お昼間に行われたアコースティックライブの様子をお伝えします。
夜の部と一緒にすると京極夏彦の本と同じくらい長くなりそうなので、まず昼の部の様子をお届けします。
遠方の方や別のライブに行ってて来れなかった方へも、少しでも雰囲気が伝わればと思います。
「SLOPE ROCK!」アコースティックライブ@北野町広場 2024.02.10(sat)12:20〜
ライブハウス太陽と虎も兵庫県の三ノ宮やったっけと思い出そうとしても思い出せないくらい、神戸は全然わからないので早めに家を出て、11時過ぎJR三ノ宮駅に降り立つ。
地図アプリで道を確認しつつ、駅周辺のスナックなどの看板の名前を見ながら北野町広場へ向かう。
今回見つけた看板で惹かれたのは、うどん屋さんの屋号が「どん兵衛」。
歩くこと10分ほど、どんどん坂を登っていく。
何処まで登るのと思い、ここかなと目星を付けた場所を見上げると、赤色のギターケースの先っちょが見えたのでもうひと息振り絞る。
広場らしきところに、ペペッターズのメンバーがいらっしゃったので安堵する。
メンバーの話し声が聞こえる位置に腰を下ろす。
「eさんたちもくるの?」
「来るみたいよ」
その後の話も聞こえてきて、正午開始だけどNewdumsのギターボーカルのeさんの到着は、”諸事情”で5分前に着くそう。
あとからeさんに話を伺うと、実家から三ノ宮までの時間配分を掴みそこねたよう。
マイペースなところが変わっていなくて素敵すぎる。はにかみながら登場するシーンも想像できる。
11時45分頃から、今夜のライブの告知ポスターを広場の転落防止柵に1枚、2枚と貼る。
電気を引っ張ってくるのに少しイレギュラーが発生しているよう。
フライヤーの裏に「12:20〜」と書かれたものを白い折りたたみ椅子の座面の外周に貼る。
11時55分、颯爽とeさんが登場。本当に5分前に。有言実行はさすが。
ちょっと休憩というように木のベンチに座りはり、東京での生活や来週リリースのEPなどのお話をうかがう。
そろそろ準備をということで12時2分すぎ、上着を脱いだeさんがアコースティックギターを持ち、音の確認をする。
12時5分「もうセッティングできてお客さん待ってもらってます」とたしかペペッターズの広村さんのお言葉。
ライブの準備をしている間に、円形状の階段ではお客さんが集まっており、そこにインド料理をやってそうな人がフライヤーを配っている。
12時15分、マイクに向かい、エルヴィス・プレスリーの「Can't Help Falling in Love」のサビをワンフレーズなどを弾き、歌うeさん。
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「声とか大丈夫そうですか?」と客席に問い、拍手が返ってくる。
「おまたせしましたNewdumsのe.です」
1曲目は「Fool」。手拍子しやすくアップテンポな曲で客席の心を掴みにいく。
左足を、右足の後ろに回してつま先でアスファルトをコツンと蹴ったりと体全体を使い、表現する。
eさんが目の前で歌ってることがしあわせで、心の中でキャーキャーしながら聴いてました。eさんの調子だと他の3人も元気そうなのが伝わってきた。
彼のお召し物は、上は深緑のニットのセーター、ズボンは茶色のスラックス。冬でも薄着なイメージがあるのでセーターも着るんやと新鮮です。そんなことを考えまた別の考えに脱線する。
上が深緑、下が茶、広場周囲に生えている木々も葉が緑で幹が茶色。同化しています。
「Fool」からギターの音色を切ることなく「Daydreaming」。
アコースティックで聞くのは初めてで、視線すべてをeさんに向けてじっくり観れるのが良いです。
バンド編成だとまんじろうさん見たいし、ドラムのタンタンもギターの林さんの特にあの部分も見たいしってなるので。
横に揺れながら歌い、ギターを弾かないタイミングでマイクの位置を歌いながら直す。
間奏のところは一歩下がったり。
同色の木々に彼の輪郭がぼやけ、冬の日の暖かさと共に白昼夢へ誘う。
チラリと荷物を置いているベンチに目をやり、曲を終たアコースティックギターを地面にそっと置き、喉を潤す水を取りに行く。
ひと口水を含み、
「めちゃくちゃ暖かいですね」と微笑む。
eさんの演奏中が、晴れ間も見えていて一番暖かかったですよ。
ギターの音色を確かめつつそのまま「Octopus」に入る。
1920年代のアメリカの場末のBarで弾き語りを聴いてるような感じ。
「交代?」と広村さんに確認をとり、「ではあと1曲だけやって終わります。今日、夜もよろしくお願いします」と最後に「Mercy」を演奏。
東京に引っ越してから、初めて地元関西に帰ってのライブ。この曲の歌詞も少し違う風味が加えられて歌われてるんかなーとか思いながら聴き入りました。
※曲名をクリックするとYou Tubeへdaydreamingします。
-setlist-
01.Fool
02.Daydreaming
03.Octopus
04.Mercy
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「よろしくお願いします」
ペペッターズのギターボーカル広村さんの出番。
すこし発声して喉の調子を確かめてからスタート。
チャーリーとチョコレート工場の「Pure Imagination」をカバー。
カバー曲やけどカバー曲と知らなければペペッターズの曲やと思ってしまうくらい。
弾き語りの美味しいところはこういう普段聴けないカバー曲を聴けるところだと思う。あとは、バンド編成ではアップテンポな曲が弾き語りバージョンにゆったりした曲調になったりするとき。
座って弾くのが弾きにくいのでと立ち上がり、マイクスタンドのマイクも良い塩梅に調整する。
持ち歌の「Jezero」を歌いはじめ、そのままギターのボディを叩いてリズムを取ると自然と手拍子が起こる。
「そんなつもり無かったのにな」と歌詞と歌詞の間で喋り客席をリラックスさせ、爪弾いたギターは暖かい冬を振動させ日差しに溶け込んでいく。
「2曲続けてお聞きいただきありがとうございます」とお話へ。
Newdumsのeさんが夜もよろしくと言ってましたけど、夜もよろしくだけでこの中に(クラブ月世界でやるイベントのことが)伝わる人は何人いたのか。
「「夜もよろしく」だけなら、eさんだけこの場所で夜もやるのでよかった来てください」
と話され、
当日券もあるので今夜のチケットまだの人は買って来てくださいと本当の告知。当日券で遅い整理番号で入って、今度からは早めに買っておこうと思ってくれたら嬉しいですと、後々のことへも繋げるようなお話。
頭の中が整理されててお話しすると楽しそうだと感じる。
最後の曲は日曜の朝に似合いそうな「ラブゴーゴー」で終わり、シークレットゲストへギターを手渡す。
-setlist-
01.Pure Imagination (cover)
02.Jezero
03.ラブゴーゴー
立ち上がったeさんがシークレットゲストが座っている方を見、にやっと小声で、
「w.o.d.やー」と叫ぶ。
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w.o.d.のギターボーカル、サイトウさんがステージ向かって右側の階段を下り、登場。
革ジャンに革靴、裾は切りっぱなしのブルージーンズという出で立ちでアコースティックギターを肩にかける。
サイトウさんは来ないだろうと思っていたので嬉しい。弾き語りなんて何と貴重な。
Kenさんも後方にてのお姿を拝見する。
「そしたらリハ行ってくる」とeさん。
サイトウさん見ーひんのかいと心でツッコむ。
それだけ普段通りの関係なんでしょうね。
去り際に、これ上京しそうなボストンバッグやろ?と嬉しそうに見せてくださり、階段を昇り月世界へと旅立つ。
「いってらっしゃい」
さてサイトウさん。
「えーほんとに10年前とかから友だちのバンド三組で」とチューニングをしながらお話する。
「寒いっすよね」
寒いので、なかなかチューニングが合わない。
1分くらいチューニングされ、ようやく音が合う。
今東京に住んでるが10年ほど前の当時は神戸在住で、めちゃくちゃみんなとライブしてめちゃくちゃ遊んでましたというお話し。
「だから超、楽しいです」
出て来てくれたら歌ってほしいなと思っていた「Orange」をやってくださる。
サイトウさんのプライベートなお話をSNSで拝見してからのこの曲は、今まで以上に心に染みる。
選曲したサイトウさんも特別な想いがあるんだろうなと感じたし、これからは覚悟なども生まれて今まで以上に、うん、男らしくなっていくと思う。
直接お伝えしましたが、改めておめでとうございます。
「広村さん、スクリーンセーバーが……」
折り畳みイスに置かれたノートパソコンの画面に、歌詞が映し出されているようなんですけど、スクリーンセーバーがかかったみたいで歌詞が見えないみたい。
広村さんが飛んできて、設定をいじる。
もう遅いですよね、どうしよ、じゃあこうしようかと広村さんが折り畳みイスに座り、パソコンの画面が見えるように上目づかい。
「これやったら広村さんに歌うみたいで……」
「さすがにマズイですね」
最終的にノートパソコンだけがイスに腰かける。
「むかしHoursというバンドをやっていて」
Hoursのお話。
「絶対にがんばらない」というのがHoursのモットー。この「絶対にがんばらない」だけでHoursのバンドがどんな感じなのか判るよう。
Newdumsのエロいギターを弾くあの林さんも在籍してるんですもん。頑張ってないのが目に浮かびまくる。失礼承知で言いますけどアルバム1枚出したのは奇跡なのかもしれませんね。知らんけど。
表だった活動をしてなければ解散もしてないと思う。
モットーどおり、がんばってないだけ。
「Hoursにもおんなじオレンジという曲があるのでそれをやります」
千載一遇。こんな機会もう二度とないかも。
オレンジ繋がりやし、キッチリ決まりごとのあるような場所じゃないからオレンジオレンジしちゃおうかとか、もしくは、サイトウさんからの皆に向けての感謝の気持ちなのか、など勝手に考えたり。肩の力を抜いて、気持ち良さそうに歌っておられました。
-setlist-
01.Orange (w.o.d.)
02.Orange (Hours)
ご覧いただきありがとうございました。
生で初めて聴くHoursの曲は、この場所とともにこの先もずっと覚えている大切な思い出となりました。
さて夜の部は、To be continued→です。
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