2024年3月17日日曜日

Newdums『Without you』Vol.3 -大阪編- @南堀江SOCORE FACTORY 2024.03.15(fri)

 Newdumsのソロコンサート、大阪編へ行って参りました。
当日行けなかった方へも雰囲気やバンドの魅力が伝わればと思います。




Newdums
solo concert
『Without you』Vol.3 大阪編
EP「Left Behind」release party -Final-

2024.03.15(fri)
@南堀江SOCORE FACTORY
OP19:00/ST19:30







まぶしいほど晴れている。
Newdums企画のイベントなのに晴れている。
にわかには信じられないので南堀江着いたらひと雨降りだしたり、そうじゃなかっても物販を忘れる、メンバーの誰かが寝坊するなど何かのイレギュラーがあるのかもと思ってしまう。
トートバッグの中にこっそり撥水性の羽織を忍ばせていく。



18時15分頃に南堀江SOCORE FACTORYへ到着。
リハーサル自体はすでに終了しているようで中からは音は出ていない。
すでにSOCORE FACTORY入り口扉横の柱には、本日のイベントのフライヤーが貼られている。このフライヤーの絵は林さんが描いたらしい。ポスターあるいはTシャツにしてほしいくらいの作品だと思う。

18時30分過ぎたくらいに店内のBGMが流れ出す。この日の店内のプレイリストはタンタンが選曲したのこと。

19時00分ちょうどに、玄関の灯りが点き、オープン。
受付兼談話室を通り、フロアへつながる扉をくぐると縦長の店内の左手側にバーカウンターがあり、右手に物販席がセッティングされている。
昨年の上京前ワンマンライブの轍を踏まないように、今日は物販には女性スタッフが常駐している。ひとつ成長が見えて嬉しく思う。

ミラーボールが周り、お客さんそれぞれNewdumsの話題で盛り上がっているよう。私はThe Yellow Planのメンバーが居ないか後ろを振り返ったり物販席を覗いたり。
並べられた物販もいつもより丁寧に並べられている気がする。プライス表はメンバーのヘロヘロして脱力した字で、見覚えのある筆跡は多分林さんのものであろう。
しかも今回新たに発売されたTシャツは袋に入っているという、これもレア。今までは畳めなくてくしゃくしゃな畳み方で渡してくれた(それはそれで嬉しかった)けど、きちんと畳めないならいっそ袋に入れようかとなったのか。
話はそれますが、物販、グッズ、ロゴキャップが欲しいですね。ほら、タンタンがライブで被れますし。そして最近ステッカーにハマってるようなので、歴代ジャケットのステッカーやマグネットなどの小物を出して欲しいですわ。資金が許すなら、私等もがんばりますんで、歴代ジャケットのメガジャケみたいなのも作ってくれたら嬉しい。



開演時刻の19時30分を回るが始まる気配はない。
19時35分、e.さんがインスタのストーリーを更新している。マイペース。
19時38分過ぎにステージ上方から小出しにスモークが出はじめたので、そわそわする。


予定時刻より14分ほど回ったあたり、ítalloの「Jangadeiros Alagoanos」が流れてはじめてタンタンが登場。続いてまんじろうさん、林さんと登場し、最後にe.さんが早足で登壇。
e.さんがヤンキー座りで水を飲み、林さんは弦の滑りを良くするスプレーを念入りに吹き弦をキュッキュする。フロント3人が楽器を持ち終えたタイミングでトロ・イ・モアの「Leave Everywhere」へ曲が変わる。SEのように感じられたんですが「たまたまそういうタイミングだった」と終演後のタンタン。

「へいへい」と林さんがマイクチェック。これも観たことがなかったので貴重なものが観られた。髪の毛を後ろでくくっただけで、キャップを被らないタンタンもも最近では珍しい。

チューニングを終えたe.さんが客席を背にし、髪を右耳にかけスピーカーの後ろに置いたいろはすで喉を潤す。腰を右側に突き出すように立ち、タンタンとアイコンタクトを取る。振り返って素早く軽く右手を挙げ、タンタンの乾いたカウントでライブが始まる。



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オープニングナンバーは、「See you」。
新曲リリースなので新曲から始まるかと巡らせていたんですが、「また会えたね大阪」という意味を込めてまずはじめに「See you」を持ってきたのだと思う。先週の東京ワンマンのセットリストからは漏れていたし、多分そういう意図があったのだろうと。
まんじろうタイムから林さんのギターが絡みついてくるところも聴きどころ見どころ。


続いて「Naked」と「N.N.N.」からもう1曲。これがもう2年前だなんて信じられない。
半分まぶたを閉じるようにアンニュイなコーラスをマイクから離れてフェードアウトさせてギターを弾く林さんからはフェロモンが出ている。隣のe.さんも負けじと身体をくねらせ踵を浮かせ、声帯を震わせる。


ここで演るのかと「Donut」のイントロ。
出だしのタンタンの丁寧できれいな入り方が心地良く、力強く響いてくる。
体格だけで「おまえキャッチャーな」というのではなく、一見ドラムを叩いているようには見えないタンタン。ふわっとして痩せ型の彼はしかし、内に潜む芯が真っ直ぐ硬いので安心して3人は背中を任せられるんだろうとつくづく感じた。

サビ前の、まんじろうさんの「どぅるるんるん」というベースのみが鳴るところが気持ちいい。曲の中でのベース音の位置や入れ方が絶妙過ぎて、縁の下から時々顔を出すタイミングや入れ方が絶妙過ぎて好き。
あとは、溜めて林さんのギターから始まるところ。普段のタイミングじゃなく、何食わぬ顔でふた呼吸分くらい溜めてから弾いてメンバーを試してる並行世界を勝手に想像している。


前半は既存の曲をして、それ以降に新曲中心のセットリストになるのかなと想像する。
がっちり盤石にワンマンライブを進めていこうとしているのか。


「Newdumsですよろしく」と小休止のチューニングの時間。
e.さんは水を飲み、髪の毛をかき上げて水を飲み髪の毛をかき上げ、
「Newdumsですよろしくお願いします。今日は来てくれてありがとうございます」「最後まで楽しんで帰っていってください」と客席に微笑みを向ける。


Dim Room」。緑色の照明で浮かび上がったe.さんのシルエットが、外宇宙から来た異星人のように視えるしある種の不安や恐怖感が表現されているように思われる。


ほぼ定番となった「Another One」と「Restart」。今回はこの位置に持ってきたのか。
力強さが増していた。顔にはあまり出さないが全員気合が入ってたより濃厚な世界へ深化している感じがした。曲同士のつながりが「これぞNewdums」。終盤の林さんのギターのアレンジがガラスを噛んだときのように歪ましたように流れている。でも曲同士が繋がる直前でe.さんは水を飲んでました。
歪んで始まった「Restart」は完全に完全なるNewdumsがNewdumsを構築してこのSOCORE FACTORYが増幅させているように思える。



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Restart」の演奏を終えMCの時間です。
すっとタンタンが立ち上がる。まんじろうさんが近づき、林さんも気になったようで彼へ近寄る。
e.さんは「ありがとうございます」とマイクに声を通す。
後ろではゴソゴソ。飲み物を忘れたようですね。
これ飲みやというように、林さんとまんじろうさんがアンプの上のペットボトルを指さしている。
いやこれe.君のやからというように固辞しているタンタン。
ここまで8曲、合間合間に目の前で水をグビグビ飲んでいたe.さんを恨めしく思っていたのでしょうか。

んもうそれやったら早く取っておいでとまんじろうさんが右腕をあげ楽屋への入口を指し、小走りで裏へ消えていく。
その間場をどのように繋ごうかとひとまず水を飲む。
客席から「おかえり」という言葉が発せられると、e.さんがフフッと笑い「……ね」

「ありがとうございます今日は」
続いて「Left BehindというEPを出しました」とリリースの告知。
「Left Behind」、和訳を調べてみたら「取り残された」という意味みたいで。


ライブが終わってから物販席で立ったり座ったりしていた林さんに
「ってことはジャケットの鳥は群れから取り残された鳥って意味ですか?」
と聞いてみると、
「そんな意味は無い」
でたNewdums節。
「遊んでたらこの鳥が出来た。僕この鳥気に入ってるんですよ」


MCへ話を戻します。
胸の前で腕を組みながらe.さん「もうすでに楽しいし気持ち良いんで、あとはもう……どれだけ上げていけるかみたいな」
タンタンがお水を持って戻って来る。
「おかえりタンタン」の声に首を縦にふる。

もう俺は話すこと無いというようにギターを触りだしたe.さんを横に
「あのー、あれっすね」と林さんへ移行する。入口の方を指差して
「Tシャツと、か、あるんで…」
「雑」と客席のお祭り野郎。

以前は新しいグッズを作っても告知しないときもあり、当日ライブへ行って初めて気づくということもあったので、驚愕です。
「そうですね、やっぱ買わないと、帰れないっしょ。っていう……感じでどうっすか」

客席後方から「何円?」との声。
「あの、値段は全部書いてるんで」ニコニコしながらそれに答える。
「教えて?」と同じ方。
誰が言ってるんかわかってるでという顔で「チッ」
にやにやするのを質問の答えに代えて身体をくねらせ「なんかあんま持ってきてないので」と言外に重いからというのを出さず、「通販とかあるので。今日お金がない人は帰ってから買ってください。みたいな感じでどうですか」

お祭り野郎「おっけ」
「あざっす」


まぁ楽しんで帰りましょうと「Stand by me」へ。
e.さん→タンタン→e.さんとリードボーカルが変わる。
二人がいっしょに歌っているサビのところがうっとりする。


ずんつかずんずんつかずんとドラムをキープしてつつ前衛部隊の準備を待つ。そのまま「Sweet Lemon」へ入る。大阪初披露。曲名からYou Tubeへ飛びます。
最初のギターのリフレインがいかにもSweet Lemonな感じがする。スイートなレモンをかじってキュッてなるような。
林さんは足元の機械でクァンクワンいわせまくっててエロさ割増でした。


アウトロの音をファンファン響かせながら「Drag up」。
引き攣ったあやつり人形みたいな林さんの音色。痙攣しているみたいに弾いているギターにまんじろうさんのベースも屋台を支えるタンタンもしっかり調和が取れてて、氷の上を歩いているような感じですごいなって思う。
客席からも「カッコいい」という声が漏れる。


e.さんの後ろから神々しい光が出続けていた「Your Sorrow
e.さんの独特な声を強く印象付けるようなところが随所に現れる曲。さらっと流すところとぐっと聞かすところとの対比がたまらなくカッコよく思える。
「どうや俺のギター」という曲終盤の林さんのエロカッコいいギターも見どころ。


放心状態から「Mist」のイントロが流れる。
透明感のある歌声タンタンのリードボーカルをとる。e.さんとはタイプの違う歌声。
なかなか聴けない曲なのでじっくりタンタンを凝視して観させていただいた。
また、昨年のワンマンのときのようにタンタンが歌い出した瞬間に水を飲むことはなく、マイクスタンドを調整する程度に留めていた。


Daydreaming」は、ギターにエコーが掛かっていたり照明の明滅が白昼夢へおいでおいでしているよう。
林さんに負けず劣らずe.さんの足の動きや腰の振り方も色気を出している。
近ごろこの曲がセットリストに組み込まれるときは、その日のライブによって配置がいろいろ違うので、こういうところにもバンドのレベルが上がっているのだと感じられた。もっともっとカッコいいNewdumsを観たい。みたいな感じでどうっすか。


次の「Yesterday」まで7曲続け、喋りなしの息をつかせない展開。
緩と急が入り混じっていて面白くて、高低差が違う音色の二人のギターの掛け合いが幻想的で聴きどころ。



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2度目のMC。
林さんはチューニング。
e.さんは新しい水のペットボトルを開けようとするも手に力が入らず、中々開けられない。ワンマンライブで長時間ギターを弾いたからでしょう。愛が感じられる。

e.さん「前、大阪……東京行くときにワンマンやってから1年も経ってないやんみたいな事を言っていたんですけど、ちょっとスパン短かったですかね」「あんまり(ワンマンライブを)打つもんでもない、という意見もチラホラ聞こえてきてるんですけど、どう思います?」

「寂しかった」「めちゃめちゃ寂しかった」「もっと来て」と客席の声。

横から林さんが
「(今日ライブに)来てる人に聞くのヤバない?」「来ん人に聞かなっしょ」とツッコミが入る。

「肯定してくれるかなって」
それよりも来ん人には聞かれへんやんというツッコミなかったのがさすがご両人。

「1ヶ月に1回」「それがいい」と客席から。
「1ヶ月に1回はなぁ」「ちょっと多いな」としみじみとe.さん。

「じゃぁ5週間に1回」
「計算しづらい」

「毎日来てよー」
「それはまた、あとで話し合いましょ」


気を取り直して、
「めっちゃ最高に楽しい、です。そのほかの言葉がみつからないです」「あと僅かですがよろしくお願いします」



後半戦は「And I See the Same Ground」へ突入する。
e.さんの吐息の使い方や、内に秘めたピュアさ表現するようなアルペジオにうっとり。


Ghost」が来たら次に「Anytime」が来るなと感じてしまう。その王道的展開にきたーと声が上がる。反面、もうすぐ終わりの足音が近づいてきているのだとひとつ息を吐く。「Anytime」が始まった瞬間にそんなことも忘れてしまったんですけどね。
先月e.さんの背中で観えなかった林さんのあそこの演奏シーンは、しっかり観させていただきました。その演奏が終わったあとのタンタンのダッダッダッダというドラムも好き。

残響を引き伸ばしたなか「Dry」。ラジオやブラウン管から流れてきてもおかしくないような曲。今日、雨がふらなかったから本編最後にこの曲を選んだんだろうか。
霞が晴れた感じの曲調で本編は幕を降ろしました。



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鳴り止まない拍手にまず応え、まず登場したのはタンタン。メンバーがステージに揃う。
水を飲む合間に「アンコールありがとうございます」とe.さん。そしてギターを持ち、チューニングしながら楽しそうに、そして笑いをこらえるように、
「まさかアンコールがあるなんて思ってなかったです」
言いたかったんでしょうね。


「なんか喋っとくことあります?」とメンバーへふる。
「なんかあった気がする」「あった気がする」「なんやったっけな」「えー?あっ!えー……」と身体を揺らす林さん。「なんかそうっすね、お酒をいっぱい飲んでくださいね」
「そうやん、ミルクティーやん」とe.さんの助け舟。

数日前に「反町じゃナイト」というイベントで、反町隆史の「ロイヤルミルクティー」という曲にかけて、ソーコアファクトリーでミルクティーを販売していたみたいです。それがまだ少しあるので、飲んでくださいとのことでした。

いつもの二人の会話。
「なんで反町隆史でミルクティーなんかわからへん」
「曲とかあるんちゃうん」
「……え、ポイズンだけやん。ポイズンとミルクティーってやばいやん」
(Foreverもあるでと思いつつ、調べたら出てきました。反町隆史で「ロイヤルミルクティー(リンク先)」です)

「あとはもう、Tシャツとかをね、買ってください」と自分の物販へ繋げ「また来てくだい」

まぁ、このワンマンライブが、俺らからのホワイトデーのようなもんやな。
きっっも。
というくだりは無く、
「2曲、特別にやって帰るんで」と左手を上げて今日はアホみたいに最高で楽しかったでと感謝を込めた2曲を演奏し楽器を置く。


それでもまだ聴き足らないオーディエンスからセカンドアンコールの拍手が鳴り止まない。
BGMが流れ始めるけれどそれに負けずに客席は拍手を続ける。
「ワンモア」「もう一回」という声に応えたのはタンタン。

物腰穏やかに林さんの位置に立ち、マイクを少し下げ
「今日はありがとうございました」「バンドのアンコールはもうなくて曲が」とおっしゃり、そして「あさってe.くんが弾き語りをパルコの方でするので、聴き足りないかたは足を運んでください」と。
「ありがとうまたすぐ帰ってきてね」の声にどうもと会釈をしてタンタンが楽屋に戻り、ワンマンツアーファイナル in 大阪が終了する。



※曲名をクリックすると「Drag up」と「Dry」以外はYou Tubeへロイヤルミルクティーします。



ご覧いただきありがとうございました。
タンタンの言っていたe.さん弾き語りの日の予報は雨です。

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