2023年12月21日木曜日

【後編】Droopys『FUNGUS』@寝屋川VINTAGE 2023.12.17(sun)


Droopys、新曲リリースとマルヒロさん脱退兼ねた企画イベント『FUNGUS』。
トリのDroopysのことを書きました。


Amsterdamnedのライブやオープン前の様子は、
下記のリンクに詳しく載ってます。


【前編】Droopys -レコ発&マルヒロ脱退企画-『FUNGUS』@寝屋川VINTAGE 2023.12.17(sun)





Droopys


出会ってまだ2〜3年ですがいろんな思い出があります。
初めてDroopysを観たのは三国ヶ丘FUZZ。お祭り野郎から「カッコいい」と噂を聞いていたLODYPOPSを初めて観に行き、そのとき出会う。
スリーピースにしては広い三国ヶ丘FUZZのステージで、太一さんと当時チョビ髭のマルヒロさんは中央を譲り合うように、お互い極端に隅っこで演奏していたのが印象的だった。
太一さんもにっとくんも、初々しい感じで接していただいたのを覚えている。この日の出会いから、まさかこんなことになるなんて。

FUZZでまた観たかったなとも思うけど、今度は新体制で出て欲しいです。マルヒロTシャツ着て行きますんで。

私の病気のことを「どんな病気?」って初めて聞かれたのも、マルヒロさんでありDroopysであり、嬉しかった印象が残ってる。頭のおかしい客の輩に絡まれた時も「ベンさんなんも悪くない」と家族ぐるみで言うてくれたり、お掃除用の伸ばし棒にサインをもらったりなど、短いなりに感謝することや思い出があります。

マルヒロさん、誕生日にプレゼントしたカリモクの椅子、これからも大切に座ってくださいね。



マルヒロさんがベースを持ってらせん階段から出てくる。
FRED PERRYのポロシャツ。

気づいたら2人もステージへ。
太一さんのデニムの破れが一層広がっている気がする。
各々楽器のセットをする。
チューニングしたりギターの調子確かめてるときに太一さんはコツッとマイクに頭をぶつける。

マルヒロさんは線をエフェクターに繋げ、延長コードを探す。ドラムの前や後ろを探すけど、最終的に自分の足元に延長コードのタップがあった。灯台下暗し。

セットリストはお尻ポケットから出さず、にっとくんのうしろから自分の足元へ。
太一さんのはにっとくんが手渡し。



用意ができ、一度らせん階段を昇る。階段しんどいなっていう声がなんとなく聞こえてきそう。
3人が戻ってから2分か、1分。
Teenage Fanclubの「Dumb Dumb Dumb」が流れる。
この曲で3人が出るのもこれで最後。
Teenage Fanclub=Dumb Dumb Dumb=Droopys=マルヒロという図式が出来上がっている。ベースサポートを入れても新しい正式ベーシストが加入して、マルヒロさんがステージに居ないことに慣れていっても、この曲が流れるとやはりマルヒロさんとの3人が思い出されると思う。

まずマルヒロさんが右手で手すりを支えながら、サササッと素早く階段を降りる。お腹の前でパチ、パチと2回手を叩き、ステージ前へ来てお辞儀をする。
にっとくんと太一さんも彼に続き、太一さんは右手を上げ客席の歓声に応える。にっとくんは自分のスマホで客席の様子を動画で撮り手をふる。

2本あるドリンクのうちのお茶を飲むマルヒロさん。
そしてストラップの位置を確認し、足元のコードを踏まないように右足で脇へ寄せる。胸を張ってひとつ大きく息を吸い、吐き出す。
ギターの歪みが鳴り、マルヒロさんの右手がまっすぐ大きく上がる。その掌が拳に変わり、うねるベースと規則正しく太鼓を叩く音も加わり、「shining daily」でライブが始まる。
コーラスマイクは正面と、見上げるような高さではない。風邪で声が出にくいということも関係しているのか。
短髪が揺れているのが判るくらい頭を振って体全体でリズムを取りながらも、両手は音をもれなく確かめるように奏でている。


アウトロを切らずに「コインランドリー」へ。
唇を噛みしめるように叩くにっとくん。

洗濯機が壊れたときに行く家の近所のコインランドリー
仕事の行き帰りに前を通っていた年季の入った西成のコインランドリー
京都nanoにほど近いコインランドリーの名前が「Be Loved」だったこと

コインランドリーから連想するいろんな思い出が詰まっている。

マルヒロさんが脱退しても、Droopys以外の違う何らかの環境でベースを弾く彼と会える日はいつか来るやろうし、脱退発表時に比べて気持ちも落ち着いてきたから、ワイワイ楽しんでサラッと見送ろうと思っていたんですけどね。
サビの太一さんの歌声を聞きながらマルヒロさんを観ると、色んなことを思い出して感情が失禁してしまいました。


Hold me tight」イントロが始まり右腕で力こぶを作り、いくぞというように流れるようにベースを弾き始める。
太一さんのジャンプが出る。
両膝を折って体をのけぞらせてベースを弾く。ニコニコしながらもクールに。いい表情でほんま弾く。
にっとくんの打撃もいつもの120%くらい多く叩いている感じがして、三人の気持ちが誤差なくひとつになってる。

「ありがとうございます」とひと呼吸チューニングタイム。
「おおー」「ヒュー」の声が多数客席から聞こえる。主にほぼマルヒロさん側から。

「マルヒロー」
「マルヒロー辞めないでー」
the seadays渡辺さんでした。
笑いながらもチューニングするマルヒロさん。
でも
「マルヒロー、ブログ更新してくれー」
には勘弁してくれよというように体を後退させる。

「たいちー」
「俺は辞めへんで」
手を振り「デジタル配信リリースイベントFUNGUSへということで、お集まりいただきありがとうございます、改めましてDroopysです」とそのまま挨拶。「その配信曲から「Us」という曲を」

新曲かつ、最初で最後の現体制でのライブ演奏なので、一音一音噛みしめながら演奏したと思う。
いつの間にか羽織りを脱いでいたにっとくん。何故かはYou TubeでMVを観ていただければ判ります→https://youtu.be/aIhmTBmjLB4?si=CPCW0B17wwk4JJQp

私たちの「Us」、イベントタイトルにも入ってる「US」、あしたの意味の「明日」。
いっぱい解釈できると思う。
自分の明日が笑っているように必死のパッチで生きたいし、過去の自分に笑われないように生きていきたい。



Never say die。太一さん本日二度目のジャンプ。着地時にバランスを崩したところから上手いこと中腰になってギターをかき鳴らす。
音はにっとくんのドラムのみで、マルヒロさんの手拍子に合わせて「グーニーなボーイ」の合唱と手拍子。
その間太一さんは、口に違和感あるなと口についた何かを手にして目視後、手を払う。


-MC②-
太一さん「今日は配信リリースイベント、ということなんですけど、マルヒロの脱退の日、というのもついでにありまして」
「ついでついで」と客席から。
「なんかマルヒロ言うことある?」

マ「へえーーっと」
声のカスレでひと笑いとる。
マ「昨日風邪で喉を壊しました」「大事な日なのに100%歌えなかったのが心残りで」
お客さんと信頼の置けるバンドたちへ感謝の意を表し、
「ほんとはもっといろんな気持ちになるのかなと考えていたんですけど、そんなこと考える暇もなく喉がやべぇって」「日常会話ができないくらい」だったみたいです。

マルヒロさんらしいと言えばそうなのかなとも思う。なんとか声が出てよかったです。心残りも良い思い出になるし、感じた悔いは次のなにかに繋げていただければと思います。100%完璧よりもなにかアクシデントあったほうがこちら側の記憶にもより残りやすいですし。

マ「100%の状態でやりたかったなー」
客席「もっかい」「もっかい」
マ「そういうフリではない」
に「もっかいやったら100%なるわけじゃない」

マ「ま、今日は俺のリリースイベントということで」
排出されるんか。
「あざっす」とお客さんは優しくかえす。
マ「ちょっとコインランドリーのときやばかったね」「もう俺は二度とバンドでこのフレーズを弾くことがないのか、と思いながらウルウルしてる場面はあった」
バンドではないけど、YouTubeに「Droopysのコインランドリー弾いてみました」やればいいねん、他の曲もベースだけってのん聴いてみたい。アルカラの曲弾く前にさ。アルカラ弾くなら「ウツリギ」弾いてほしい。

引き続きマルヒロタイム
マ「けど、俺ともう演奏することがないわけで、君たちはどう思う?」
「うわ」というのや笑い声や「そんなフリ方ある?」「亭主関白系や」「キラーパスや」と思い思いのツッコミが入る。

ニコニコ笑い、手を振って
太「バイバイ」
に「バイバイ」

「音楽はきっと続けると思うんですけど、様子見ながらになる」と真面目な話へ。
カタチは決まってないが「ベース弾いたらやっぱ楽しいんで続けたいなと思っている」ので注目していてほしいとのこと。
マ「そしてもちろん、僕を失うDroopysのふたりの活動も……」
に「主語がみんな"僕"なん?」

マ「最後になりましたがみなさんたのしんでい言ってください」と大きく両手を振り、90度のお礼。
太「マルヒロは遠くへ行くわけではなので、何処かで見かけたら仲良くしてあげてください。僕は仲良くしません」「ありがとうございましたDroopysです」
「……嘘やで」とフォローし最後の曲「フォトグラフ」へ。

もう終わってしまうとまたウルウルしてしまう。初めてライブで聴いた時と初めてMVで歌詞と一緒に観た時、脱退が決まってから聴く時、どれも印象が違って面白いな。
終わりを望まないけど、物事には終りがあるから美しいと言わざるを得ないのかな、マルヒロさんを美しくしたくない汚いままでいてもいいからとか、ぐちゃぐちゃ考えて目尻に涙を浮かべてしまう。



-アンコール-
拍手と一緒に「もう一回いこう、もう一回いこう」「ワンモア」「終わらんでいいよ」

「声大丈夫ですか」に
マ「大丈夫じゃない」
に「さっきよりマシなってる」
マ「みんなが思ってる以上にいっぱい飴舐めたから」
あの、たしかに飴はいっぱい舐めたかもしれないんですけど、ライブのはじめと今とを比べられてるのであって……、マルヒロさんの返答に可笑しみを感じた。

太「ありがとうございます、あと一曲だけ演らせていただきます。最後、マルヒロのためにみんな、向こう向かって手を挙げてもらっていいです?」と、「time to say good bye」じゃなきゃ締まらない。

正真正銘これでマルヒロさんのDroopysはおしまい。
でもずっと変わらず”Droopysのマルヒロさん”は私の中にいますので。
Droopysに関わったみなさんが、それぞれ一人ひとりの変わらない場所のひとつに今までやこれからのDroopysも含まれてほしいと思い、筆を置きます。




ご覧いただきありがとうございました。

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